野島 稔<ピアノ>

Minoru Nojima, Piano    ▷ English Biography

野島稔 ピアニスト
Minoru Nojima (c) masanori hotta

1945年横須賀市生まれ。3歳からピアノを井口愛子に師事、10歳でNHK交響楽団と共演。桐朋学園高校へ進み、高校3年の1963年、第32回日本音楽コンクール第1位大賞受賞。桐朋学園在学中に、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会に出演。

1966年、ソビエト文化省の招きでモスクワ音楽院に留学、レフ・オボーリンに師事しながら、モスクワ、レニングラード(現サンクトペテルブルク)をはじめとする各地で公演を行なう。1969年第3回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール第2位入賞。翌年、カーネギー・ホールでデビュー、ニューヨーク・タイムズ等で絶賛された。以来、ニューヨークと東京を本拠に、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各地でリサイタル、オーケストラとの共演、室内楽などを行っている。

現代日本の作曲家の作品紹介にも広く貢献し、特に、松村禎三の「ピアノ協奏曲 第2番」のモスクワ初演(第3回レングラード国際音楽祭・オープニングコンサート)、ロンドン初演(BBC交響楽団)では高い評価を得、その後もニューヨーク、パリで演奏している。

 

カーネギー・ホールデビュー後ほどなくして、東芝/EMIよりブラームス、シューマン(変奏曲)、そして「間宮芳生:ピアノ協奏曲 第2番/ピアノ・ソナタ 第2番(初演)」が、また、野島自身に献呈された「松村禎三:ピアノ協奏曲 第1番/第2番」がRCA Victorよりリリースされた。

そのほかにも、『まぎれもない傑作(ステレオ・レビュー誌)』『世界最高のラヴェル演奏の一つ (レコード芸術)』と激賛されている「野島稔・プレイズ・リスト」「野島稔・プレイズ・ラヴェル」、また「ブラームス:ピアノ五重奏曲」(CBS/Sony)などがある。

 

その後も、バイエルン・フィルハーモニー、モントリオール交響楽団、ワシントン・ナショナル交響楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団など、内外の著名なオーケストラと数多く共演。また、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、NHK交響楽団、東京都交響楽団などの海外公演にソリストとして同行した。仙台フィルハーモニー管弦楽団とは外山雄三指揮により3年間にわたりモーツァルト:ピアノ協奏曲の連続演奏も行なった。

 

近年は、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール、エリーザベト王妃国際コンクール、仙台国際音楽コンクール、ベートーヴェン国際ピアノコンクール、ウィリアム・カペル国際ピアノコンクール、リヒテル国際ピアノコンクール等、多くのコンクールで審査委員を務めている。2006年には、横須賀芸術劇場にて野島が審査委員長を務める<野島稔・よこすかピアノコンクール>が創設され、日本の若いピアニストのさらなる育成に尽力している。

現在、東京音楽大学学長、桐朋学園大学院大学特任教授。仙台国際音楽コンクールのピアノ部門審査委員長も務めている。

 

2014年5月、国内外における正統派ピアニストとしての演奏活動及び後進の育成に対し『平成25年度(第70回)日本芸術院賞』を受賞。

 

(2014年5月現在)

 

「2013年度 日本芸術院賞」受賞について

 → 日本藝術院HP

 → 「平成25年度 日本芸術院賞授賞者の決定について」

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